第31号    2004年2月20日発行 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●   NPO法人エコプラザさばえ(鯖江市環境情報学習センター)メールニュース ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★  <目次>  ▽「天狗のかくれ里」を観てきたよ  ▽イベント・2月25日(水)夢広場       ・2月26日(木)土曜塾スキルアップ講座(鯖江)       ・3月6日(土)ふくい環境シンポジウム(福井)       ・3月6〜7日(土日)ふくいスカウティング塾(福井)       ・3月14日(日)環境活動交流会 in とどろい(今立)       ▽欧州自然エネルギーの取り組み その1 ■■ミュージカル「天狗のかくれ里」を観てきました!  去る14日(土)、劇団「ふるさときゃらばん」演ずるミュージカル「天狗のかくれ 里」の下見に行かれた実行委員会メンバーの感想です。同ミュージカルは鯖江市民活 動交流センター主催、エコプラザさばえのNPO法人取得記念として4月1日に鯖江文化 センターで上演されます。 ================================ 三重県までミュージカルの下見に行ってきました。 思っていたよりも、ずっとずっーと素晴らしいミュージカルで、 二回は我慢しましたが、三回は涙があふれてしまいました(T-T) これだけ感動したのは「風の谷のナウシカ」以来かもしれません。 森に迷いこんだ現代っ子のマコトとやんちゃなミカに、 自然の営みの不思議さやありがたさを切々と説く天狗たち。 生きる知恵を温かく教えてくれる天狗。 主人公の二人をあえて厳しく鍛える天狗。 生きものは皆、他の生きものの命をもらって生きている。 ♪たべた命の分、精いっぱい生きよう! 命のかぎり生きろ。 命のかぎり輝け。 命のかぎり命を愛し、精いっぱい生きる。 手を使え 頭を使え 考えろ ひらめかせろ どこまでも行ける足になれ! ラストシーン、ものすごいエネルギーが役者の表情や踊りを通して迫ってきます。 自分の細胞の一個一個が共鳴してブルブル振動する感覚って分かりますか。 観ている子ども達の表情がどんなにイキイキ輝いているか想像してみてください。 会場中が感動と命の輝きでいっぱいに満たされます! 子ども達には勇気を、大人達には慈しむ心を。 「いのち」と「いのり」がギュッとこめられた、本当に元気が出る応援歌です。 このミュージカルは、個人にとっても、鯖江にとっても 大きな財産になると確信しています。 ひとりでも多くの子ども達、親御さん、おじいちゃん、おばあちゃん。 そして、これから親になっていくであろう若者に、 どうか「体感」してほしいと強く願います。 (天狗のかくれ里実行委員会企画部 久保田裕之)     *チケットはエコプラザさばえでも取り扱っています。お気軽にお問合せください。 ---------------------┤イベント情報├--------------------- ■「夢広場」 ゲスト<八朔友二さん:ふるさときゃらばんプロデューサー>  さばえNPOセンター夢広場委員会企画運営の定例サロン。市内外で活躍の市井の方 々を招いて「夢」を語り合います。オープン形式ですので、どうぞご自由にお越し下 さい。 日時:2月26日(水)20:00〜21:00(その後座談会を22時まで予定) 場所:鯖江NPOセンター交流サロンにて 主催&問合せ:さばえNPOセンター ※今回のゲスト、八朔友二さんは1956年福井市生まれ。東京芸大卒業後、劇団「ふる さときゃらばん」立ち上げに参加。現在は企画制作活動から日本全国の営業活動まで こなす。「ふるさときゃらばん」の重鎮の一人として「大人の元気・大人の笑顔」を モットーに大活躍中!来る4月1日はミュージカル「天狗のかくれ里」を鯖江文化セン ターで上演予定。 ■土曜塾スキルアップ講座『身近な自然と環境教育』  自然体験活動や環境学習を行っている方はたくさんいらっしゃると思いますが、子 ども達の素朴な疑問はの返答に困ったことはありませんか? この講座はスタッフの知識や技能を向上させる目的で、スタッフ自らが企画したもの です。参加自由です。是非お越しください。  日時:2月26日(木)19時30分〜20時30分 会場:鯖江市民活動交流センター小会議室 テーマ:「身近な自然と環境教育〜メダカはどこへ行った?ホタルはここよ〜」      講師:井上哲夫氏(NPO法人エコプラザさばえ理事長) *講座終了後、土曜塾の活動紹介や今後やってみたい活動などを話題にして、参加さ れたみなさんの交流会を予定しています。 参加費:無料(参加者数の把握の為、事前にお申込みください) 主催:土曜塾実行委員会 申込み&問合せ:NPO法人エコプラザさばえ ■ふくい環境シンポジウム「環境教育を考える」  子供たちと一緒に自然のなかに出かけ、ともに“センス・オブ・ワンダー”(神秘 さや不思議さに目を見張る感性)を育むことの大切さを伝えましょう。 日時:3月6日(土)13時30分〜16時30分(13時開場) 場所:福井フェニックスプラザ 小ホール 内容:第1部 13時30分〜     映画上映『センス・オブ・ワンダー』(環境教育用ビデオ・30分)     基調講演『自然からの贈りもの-子どもたちへ豊かな感性を-』      講師:上遠恵子氏(レイチェル・カーソン日本協会理事長)    第2部 15時15分〜     パネルディスカッション『環境教育を考える-ふれる、知る、行動する』      コーディネーター:水上聡子氏(アルマス・バイオコスモス研究所代表)      パネリスト:上遠恵子氏(レイチェル・カーソン日本協会理事長)            坂本均氏(GNOM自然環境教育事務所代表)            井上哲夫氏(NPO法人エコプラザさばえ理事長)            中井修一氏(福井市立一乗小学校教諭) 講師:上遠恵子氏プロフィール  1929年東京生まれ。70年に「沈黙の春のゆくえ」を共訳した際にカーソンの生き方 や境遇に共感して以来、カーソンに関する翻訳や研究ライフワークとしている。88年 レイチェル・カーソン日本協会を設立し、学校や幼稚園、市民グループ、企業などで 講演やワークショップを行うほか執筆活動に従事。映画『センス・オブ・ワンダー』 に朗読者としても出演した。エッセイスト、レイチェル・カーソン日本協会理事長。 http://www.webfront.ne.jp/~senseofwonder/ 定員:200名 参加費:無料(事前に申込みが必要です) 主催:環境ふくい推進協議会、福井県 申込み&問合せ:環境ふくい推進協議会事務局(県環境政策課内)         TEL.0776-20-0301 FAX.0776-20-0634         kankyou@ain.pref.fukui.jp ■ふくいスカウティング塾(ソング・ゲーム研修会)   〜「歌おう!遊ぼう!笑おう!」&「行うことによって学ぶ」  歌はみんなの心をひとつにします。ゲームをすると仲間とのふれあいが生まれ、遊 びの中でルールを守ることを学びます。歌がある活動、笑顔いっぱいのキャンプファ イアをするために、まず指導者自身が楽しく歌い、めいっぱい遊びましょう!リフレ ッシュしたい方も、ぜひご参加ください。  日時:3月6日(土)14時受付 14時30分開会    3月7日(日)15時45分閉会 場所:福井市少年自然の家(福井市脇三ケTEL.0776-41-3660) コーディネーター:鹿ノ内美智子(ボーイスカウト日本連盟副リーダートレーナー) 対象:スカウト活動に興味のある方で健康な人 参加費:3000円 携行品:内ばき(スリッパ不可)、マイカップ、動きやすい服     その他宿泊に必要なもの 申込締切:2月27日(金) 主催者:日本ボーイスカウト福井連盟 申込み先:日本ボーイスカウト福井連盟事務局(福井県生活学習館内)      TEL.0776-41-4064 FAX.0776-41-4065 ■環境活動交流会 in とどろい  普段、通り過ぎてしまうような身近な自然にはたくさんの不思議や発見が隠されて います。今回の取り組みは、冬の森でのフィールドワークを通して環境活動を体験 し、活動の楽しさを知るとともに、県内の環境団体やエコクラブ応援団との交流を図 り、活動に対しての情報交換を目的とするものです。  日時:3月14日(日)10時〜15時 Aコース“とどろい”  会場:今立町轟井森の駅 ※JR鯖江駅からシャトルバスが出ます  定員:60名  内容:第一部(午前) フィールドワーク(班に分かれて自然探索にでかけます)      第二部(午後) エコクラブ・環境保全団体活動発表会 Bコース“八ツ杉千年の森ツアー”  会場:今立八ツ杉千年の森 ※JR鯖江駅からツアーバスが出ます  定員:40名  内容:(午前)フィールドワーク 講師:佃正寿氏(森林たくみ塾理事長)      (午後)エコクラブ・環境保全団体活動発表会に参加 講師:佃正寿氏プロフィール  1950年東京生まれ。74年オーク・ヴィレッジ創設(80年に有限会社に改組)。家具 製作を担当後、事務局長として「木の文化」継承の基礎づくりにあたる。91年、関連 グループとして森林たくみ塾を創設。木の文化を担う人材育成の「木の総合教育機関 」をめざす。現在、現場での実践教育を重視した教育手法を確立し、プロ育成に活動 の焦点をすえる。97年から(社)日本環境教育フォーラムにて自然学校指導者養成委 員会委員。2001年4月より 岐阜県立森林文化アカデミー・特任教授、「ものづくり/ 環境教育」担当。森林たくみ塾理事長。 http://www.takumijuku.com/ 持ち物:昼食、飲み物、タオル、雨合羽、保険証 参加費:無料(事前に申込みが必要です) 主催:活動交流会開催事業実行委員会 申込み&問合せ:NPO法人エコプラザさばえ ------------------------------------------------------ ■■欧州自然エネルギーの取り組み その1 (福井市在住Tさんのレポートです)  2004年1月19日から30日まで、ドイツで開かれる欧州自然エネルギー会議と日独自 然エネルギー会議に参加し、ヨーロッパ諸国における自然エネルギーの取り組みを視 察する機会を与えられた。  きっかけは環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長との出会いだった。飯田さん はかつて京都大学で原子核工学を勉強した原子力技術者で、閉鎖的な「原子力ムラ」 の中だけで決められる原子力政策のあり方に疑問をもち、原子力ムラを飛び出したと いう方だ。現在は、日本総合研究所主任研究員、京都女子大学教員、NPO代表という 三足のわらじを履きながら、自然エネルギーの促進に尽力されている。  まず、ドイツで開かれた2つの国際会議に参加してヨーロッパにおける自然エネル ギーの概要について学んだ後、足を伸ばしてスウェーデン、デンマークを回り、実際 の自然エネルギーの取り組みを視察するというものだった。   ◇1月20日(火)  ホテルの朝食で、日本自然エネルギー株式会社の正田剛社長、環境エネルギー政策 研究所の大林ミカ副所長と合流し、欧州自然エネルギー会議(European Conference for Renewable Energy)に出席する。  ECが主催するこの会議には、ヨーロッパ各国から官民のエネルギー関係者数百名が 出席している。テーマ毎に各国からの専門家が壇上に上がり、それぞれ5分の発表を 行ってから質疑応答を行うという方式の会議だった。一日中会議に出席して、ロビー で膨大な量の資料に目を通し、ヨーロッパのエネルギー事情を見聞した。  夜、ベルリン市役所で開かれたドイツ環境省主催の歓迎レセプションに出席した。  「緑の党」の闘士であったというトリティン環境大臣に「原発に頼らない政策を訴 えているが、なかなか理解してもらえない」と語りかけたら、「ドイツの場合は、『 緑の党』を結成してからエネルギー政策の転換にこぎつけるまでに20年以上かかった 。我々と同じような頑固さで頑張って欲しい」と励まされた。 ◇1月21日(水)  月曜日から始まった欧州自然エネルギー会議の最終日(僕は2日目から出席)。 2020年までにEU域内の自然エネルギーの比率を20%まで高めるなどの結論を得て、午 後1時半に終了した。  この2日間で分かったことをまとめておこう。   まず、なぜ、ヨーロッパ諸国が自然エネルギーの促進に取り組んでいるかというと 、地球温暖化にいかに対処すべきか、という問題意識が、そもそもの出発点である。  地球温暖化を防ぐには二酸化炭素の排出量を減らすしかない。  二酸化炭素を出さないエネルギーには、大きく分けて、原子力と自然エネルギーが あるが、EUは原子力ではなく自然エネルギーの比率を高 めることで二酸化炭素の排 出量を減らすという政治的合意に達した。1997年には自然エネルギーの比率を2010年 までに12%まで高めるという目標を設定。この目標を達成するため、EU各国はこれま で様々な努力を展開してきた。  今回の会議では、そうした各国の取り組みを紹介するとともに、様々な問題点につ いて議論し、さらに目標を20%まで引き上げた(ちなみに、日本の目標は2010年まで に1.35%まで引き上げるというもの)。自然エネルギーの比率を高めることで、新し い産業と雇用を生み出し、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型社会とは全く 違う新しい社会を創り出すのだという、ヨーロッパ諸国の並々ならぬ決意と情熱が伝 わってきた。 ◇欧州自然エネルギー会議の所感  「理性(市民の常識)」が政治をリードするEU・「利害(業界の常識)」が政治を リードする日本会議を通して一番強烈に感じたことは、 EUでは政治が民主主義の本 来的な理念に基づいてきちんと機能しているということである。  民主主義のあるべき姿とは、国民によって選ばれ、巨視的な大局観を持つ政治家( スーパーゼネラリスト)が、専門知識はあっても視野狭窄になりがちな官僚(テクノ クラート)をうまく使いこなして、特定の地域や特定の業界の個別利益ではなく国民 全体の利益を実現するというものである。  EUでは、二酸化炭素を代表とする温室効果ガスが地球温暖化を招き、地球環境に悪 影響を及ぼす恐れがあることを受けて、1997年には2010年までに自然エネルギー比率 を12%まで高めることを目標とすることを決定した(“WhitePaper”)。この決定に 基づき、1999年から2003年にかけて、欧州各国で自然エネルギー比率を高めるための 様々な政策が実行された。  エネルギー政策には、石油会社や電力会社という産業界でも最も強力な利害が絡む ため、その国のエネルギー政策を見れば、その国の民主主義のレベルが分かると言っ ても良いのだが、ここで感心させられるのは、EUでは見事なまでに「理性」が政治 をリードしていることである。「理性」が政治をリードしていることに感心するのは 、日本の政治が往々にして特定地域や特定業界の「利害」にリードされて、「理性」 が跡形もなく吹き飛ばされてしまうからである。  そして、 EUで「理性」を、日本で「利害」を代表しているのが、それぞれの政治 であることを考えると、政治の質のあまりにも大きな違いに愕然とせざるを得ない。 言い換えれば、EUの政治は「市民の常識」で動いているが、日本の政治は「業界の常 識」で動いている。  日本ではまだまだ民主主義のレベルが低いのだから、日本のエネルギー政策が業界 の利益べったりであっても仕方がないともいえるが、そのまま放置していては国民が 余りにも不幸である。原発が 15基も立地する福井県で生まれ育ったものとして、エ ネルギー政策の転換に真剣に取り組まねばならないと痛切に感じている。 ※会議に関する資料はすべて下記のサイトで検索できます。(英文) http://www.managenergy.net/conference/re0104.html 自然エネルギー推進市民フォーラム http://www.jca.apc.org/repp/home.htm ------------------------------------------------------ □□ことばピックアップ:レイチェル・カーソン(海洋生物学者、作家)  自然が繰り返すリフレイン...夜の次に朝がきて冬が去れば春になるという確かさ ...  のなかには、かぎりなくわたしたちをいやしてくれるなにかがあるのです。  (「センス・オブ・ワンダー」上遠恵子訳/新潮社 より) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆皆様からのフィードバック、情報提供をお待ちしています。 ☆ニュースのバックナンバーは下記ホームページで見ることが出来ます。 ☆このニュースを購読される方を是非ご紹介下さい。 ☆配信停止はこのメールに「配信不要」をペーストして返信して下さい。 ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★ 【発行】NPO法人エコプラザさばえ 鯖江市民活動交流センター内      〒916-0024 鯖江市長泉寺町1-9-20       (朝10時〜夜10時、日曜朝10時〜夜7時、月曜・祝祭日休館)     Tel.0778-54-8434 Fax.0778-54-7058    E-mail info@sabae-npo.org   Web  http://www.sabae-npo.org/ecoplaza/ 【編集】林 暁、吉年純子、辻子裕二 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●  エコプラザさばえメールニュース 第31号      2004年2月20日発行