第63号   2005年3月15日発行 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● NPO法人エコプラザさばえ メールニュース ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★ ホワイトデーの朝、カーテンを開けてびっくり。自然界からも白い贈り物です。 3月に入って30センチ以上の積雪があったのは19年ぶりだそうです。昔と比べる と、冬の積雪って少なくなったような気がしますが、一時にどっと降るゲリラ雪 は増えたような気がします。大丈夫か地球。見上げた空にそうつぶやいてしまい ました。(M) □▽△□------------------------------------------------------□▽△□ <目次> ▽エコプラザさばえ情報 ・エコプラザ事務局移転のお知らせ ・平成17年度 ふくい環境力向上全体発表会 ▽イベント情報 ・北陸環境共生会議シンポジウム ・里山コンサート in エコビレッジ ▽環境の話題 ・『英国政府の報告書「危険な気候変動を回避する」』 ・【地球温暖化】手遅れ説:ある科学者が発した警告 □---------------------┤エコプラザ情報├-----------------------□ ■エコプラザ事務局が移転します。 エコプラザさばえ事務局が鯖江市環境教育支援センター(エコネットさばえ)内に 移転することになりました。3月25日(土)に引っ越し作業を行います。 尚、この日の前後は通信回線が途絶えたり、エコネッさばえトやNPOセンターの休 館日が重なりますので、事務局のご利用にはご注意下さい。電話、メールアドレスは そのまま使える予定です。事務局職員の勤務日などはエコネットさばえの開館日に合 わせる予定ですが、詳細については決定次第随時お伝えします。今後の続報にご注意 ください。 <移転の経緯について> エコプラザさばえの誕生は、鯖江市環境基本計画の推進母体である鯖江市環境まち づくり委員会から、平成13年鯖江市に対しての提言書が出されたことから始まりま す。それは、市民に対する環境情報提供、環境市民育成事業の中心施設の整備につい ての要望でした。 これを受け、鯖江市民活動交流センター(以下:NPOセンター)では、この施設を 「市民による自主管理、自主運営」を目指すこととし、そのための設立企画と組織づ くりとが行われました。 平成14年4月(愛称)エコプラザさばえは(正式名称)鯖江環境情報学習センター として誕生しました。そしてNPOセンター内においてエコプラザ委員会を担当し、活 動を開始しました。 その後、エコプラザさばえは法人化し「特定非営利活動法人エコプラザさばえ」と なり、NPOセンターからは平成16年4月組織的独立を果たしました。このことで組織 の社会的な信頼と責任の明確化がはかられる環境が整うことになり、行政との協働事 業も本格的に開始されました。 平成17年4月、鯖江市環境教育支援センター(愛称:エコネットさばえ)が開所し ました。ついに「提言が具現化」されたのです。そしてこのたび状況が整い、エコプ ラザさばえは4月からエコネットさばえ建物内に拠点を据えて(予定)、更に活動を 発展充実させていくことになりました。今まさに「自主管理、自主運営」を目指すた めの大きな一歩を踏み出そうとしているのです。 <お礼のご挨拶> 皆様に於かれましては、これまでエコプラザさばえに理解とご協力を頂きまして誠 にありがとうございました。心よりお礼申し上げます。今後はこの移転を期に、環境 情報の収集発信、環境市民の育成を目指し、より一層頑張っていきたいと思います。 今後とも皆様には引き続きエコプラザさばえの活動に対して、厳しいご指導と温かい ご支援をお願い致します。 (特定非営利活動法人 エコプラザさばえ理事長 井上哲夫) <新事務所:2006年3月27日(月)より> 〒916-0033 鯖江市中野町73-11 鯖江市環境教育支援センター(エコネットさばえ)内 休館日:毎週水曜日、国民の祝日、年末年始 TEL&FAX.0778-54-8434 E-mail info@sabae-npo.org(予定) ※なお、通信回線工事のため、3/19から22までは不通になります。 ------------------------------------------------------------------------ ■平成17年度 ふくい環境力向上全体発表会 県では、地域が持つ環境に関する課題や豊かな資源をテーマに、環境保全団体 等と地域の子どもたちが協働で行う環境保全活動を促進するため、地域連携モデ ル事業として10団体に委託しています。これら事業実施団体の活動成果の発表や、 参加者間の意見交換等を通して、一層の環境力の向上と環境保全活動の他地域へ の広がりを図ります。どなたでも参加できます。 日 時:3月19日(日)10:00~15:00 会 場:越前市福祉健康センター多目的ホール (越前市府中 アルプラザ武生4F) 【午前】アイスブレーキング(環境クイズなど) ※素敵なエコグッズが当たるよ 地域連携モデル事業実施団体による活動成果発表 および参加者間の交流 【午後】理解を深める環境学習?「ヒラメ先生」の自然の不思議体験 全体の「ふりかえり」 参加費:無料 問合せ:ふくい環境力向上活動交流会開催事業実行委員会事務局 鯖江市民活動交流センター内 NPO法人エコプラザさばえ TEL.0778-54-8434 E-mail info@sabae-npo.org http://www.erc.pref.fukui.jp/news/2006/kankyoryoku.html □---------------------┤イベント情報├-----------------------□ ┏━━━━━━━━★ ┃■北陸環境共生会議シンポジウム ~グリーン購入から始まる「環境と経済の好循環」~ 環境への負荷の少ない製品やサービスを優先的に選択する「グリーン 購入」をキーワードに、先進的な取組事例報告を交えながら、環境と経 済の好循環に向けてできることを考えます。 日 時:3月24日(金)13:30~16:40 会 場:福井県国際交流会館多目的ホール他 ・基調講演「グリーン購入で環境と経済の両立を」 講師:中原秀樹氏(武蔵工業大学大学院環境情報学研究科教授) ・分科会「グリーン購入大賞」受賞事例に学ぶ 分科会A【旅館・ホテル関係】 株式会社星野リゾート(長野県軽井沢町) ワシントンホテル株式会社(名古屋市) グリーン購入ネットワーク 分科会B【土木・建設関係】 株式会社大林組(東京都港区) 田中建材株式会社(滋賀県高島市) 福井県土木部土木管理課 定 員:200名 参加費:無料 申込方法:必要事項を記入の上、FAX、E-mailにて3月20日(月)〆切 問合せ:福井県安全環境部環境政策課 TEL.0776-20-0301 FAX.0776-20-0679 E-mail kankyou@pref.fukui.lg.jp http://info.pref.fukui.jp/kankyou/hokuriku_symposium.html ┏━━━━━━━━★ ┃■里山コンサート in エコビレッジ ?南米の民族楽器が奏でる素朴で暖かい音楽を? 日 時:3月26日(日)13:30~15:30(コーヒータイムあり) 会 場:越前市エコビレッジ交流センター (湯谷町 TEL.0778-28-1123) 出 演:ロス・アミーゴス(フォルクローレ音楽グループ) 定 員:50名(要予約) 参加費:500円 問合せ:ワンコイン塾(道正 TEL.0778-23-3097) □---------------------┤環境の話題├-----------------------□ ■『英国政府の報告書「危険な気候変動を回避する」』 英国政府は、『仮邦題:危険な気候変動を回避する』 (Avoiding DangerousClimate Change)と題する報告書を発表した。 報告書では「温室効果ガスの排出量を危険レベル以下に抑えられる 可能性は極めて少なく、温室効果ガスの大気中濃度の上昇は、これま で考えられていた以上に深刻な影響をもたらす」と述べられている。 この報告書は、2005年2月に英国気象庁が開催した気候変動国際会議 に基づいて作成されたもの。 英国の環境・食糧・農村地域省のマーガレット・ベケット大臣 (Margaret Beckett)は「気候変動が、取り返しの付かなくなる転換 点に来ていることは、なかなか実感できないかもしれません。でも、 この報告書は、そのことを痛感させるものになるでしょう」と語った。 報告書の主なテーマは以下の二つ。 1)温室効果ガスの大気中濃度をどのレベルで安定化させるか。 2)そのレベルを超えないためにはどのような選択肢があるか。 1)まず、気温が以下のように上昇した場合の影響について、次のよ うに分析している。 ・1℃:危険性がかなり高まる。影響を受けやすい生態系や生物種は、 そのリスク増大のスピードが速まる場合もある。 ・1℃?2℃:世界レベルで危険性が高まる。地域によっては深刻な ケースも出てくる。 ・2℃以上:危険性が一気に高まる。大量絶滅や生態系の崩壊、饑餓 や水不足リスクの増大、特に途上国で社会経済へのダメージなど。 研究者たちは、気温が2℃上昇すると、以下のような状況が起こると いう。 ・先進国でも途上国でも、穀物の収穫量が減少する ・ヨーロッパやロシアでの不作が3倍になる ・砂漠化が広がり、北アフリカで大量の難民が発生 ・28億人が水不足に直面 ・珊瑚礁の97%が消失 ・北極海の氷が夏のあいだ完全に溶解し、ホッキョクグマやセイウチ が絶滅 ・アフリカや北米でマラリアが流行 ・グリーンランドや南極大陸西部で氷床の融解が進み、世界の海面水 位の上昇につながる(平均海面水位は1000年で7メートル上昇) この分析結果を踏まえると、欧州連合がこれまで掲げてきた「世界 の平均気温の上昇幅を2℃以内に抑える」という目標は、極めて不十分 である。では、こうした危険を回避するためにはどうしたらよいか。 大気中の温室効果ガスの濃度を、二酸化炭素換算で450ppm以下に安 定化させる必要がある(産業革命前は約275ppmだった二酸化炭素濃度 は、現在約380ppmまで上昇)。そのためには、世界の温室効果ガス排 出量を、2015年頃をピークに、2050年までに1990年比でおよそ3?4割 も削減しなければならない。 これについて、英国政府の主席科学顧問であるデイビッド・キング 卿は、「10年後には400ppmに達するだろう。世界的にエネルギー需要 が高まる中、どの国も温暖化防止のために発電所を止めようはしない だろう。450ppmという目標は実現不可能に近い」と発言している。 また、「大気中の二酸化炭素の濃度はどこまで上げても安全か」と いう議論は、「毎日何本までならタバコを吸っても安全ですか?」と 医者に聞くようなもの、という声もある。 2)「危険レベルを回避するための選択肢」については、エネルギー効 率の向上や再生可能エネルギー、クリーン石炭技術の推進といった技 術的な選択肢や、排出量取引などの資金メカニズムがすでに存在する。 しかし、ここで大切なのは、「これらの技術をいかに迅速に、より 多くの国が取り入れるか」である。気候変動政策を実施する上で最も 大きな問題は、技術やコストではないのだ。 既得権益や認識の欠如、環境コストを反映していない価格設定、変 化に対する抵抗、効率的な投資環境の欠如していて途上国に技術移転 ができないといったさまざまな政治的、社会的、文化的な障壁、そし て「実際の行動を起こす」という壁を超えられるか、こそが最大の課 題であると結論づけている。 枝廣淳子の環境メールニュース http://www.es-inc.jp/lib/mailnews/index.html 温暖化・脱温暖化に関するバックナンバー http://www.es-inc.jp/lib/archives/11.html http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/4660938.stm (Enviro-News from Junko Edahiro  No. 1174 06.03.01から) ■【地球温暖化】手遅れ説:ある科学者が発した警告 『環境会議』2006年春号(3月8日刊行)から http://cz.biglobe.ne.jp/cl/W016953/1/2201000015/57144 1月16日に英国インディペンデント紙にジェームズ・ラヴロック博 士が、「温暖化はすでに手遅れになってしまった」というメッセージ を寄稿しました。ラブロック博士は、地球を一つの生命体と見る「ガ イア説」で世界的に有名なイギリスの科学者です。(中略) 残念ながら、地球の温暖化は確かに進行しています。私も講演など で、数年前までは「温暖化の防止」と言っていましたが、現在では「 温暖化の抑制」を語っています。世界の科学者は、「温暖化が起こる かどうか」ではなく、「地球の温度は何度まで上げても大丈夫か」と いう議論をしています。 多くの科学者は、産業革命以前に比べ2℃を超える温度上昇が起こる と、多くのリスクが発生すると考えています。しかし、すでに温度は 0.6℃上がっており、2℃以内に抑えるためには、世界規模の温室効果 ガス濃度を475ppm以内に抑えなくてはならないと多くの科学者が言っ ています。 現在世界では、化石燃料の燃焼によって、63億トンの炭素を排出し ています。そのうち、森林や土壌が14億トンを吸収し、海洋が17億ト ンを吸収しています。つまり、毎年、差し引き32億トンの炭素が大気 中に蓄積しており、温暖化の大きな原因となっているのです。 温暖化のこれ以上の進行を止めるには、地球が吸収できる量である 31億トン、すなわち現在排出している量の半分に炭素排出量を抑えな くてはなりません。しかし、世界の炭素排出量は減るどころか増加の 一途です。このまま成り行きで進むと、排出量は200億トンに達する とも言われています。 多くの科学者がさまざまな研究や実験をおこない、気温が上昇した 場合のマラリアの蔓延、水不足、饑餓、穀物収穫量の減少などのリス クを指摘しています。 たとえば、穀物の成長期に気温が摂氏1度上がるたびに、収穫量が 10%減少するそうです。実際に、強烈な台風やハリケーンの発生頻度 の増加、北極や南極、グリーンランドの溶解、氷河の溶解による氷河 湖の決壊やその後の干ばつなどのニュースが世界各地から毎日のよう に届きます。異常気象の増加による保険会社の倒産、農業の不作など、 経済面にも損害や被害が出始めています。 アメーバですら、脅威に対しては何らかの行動を取ります。それな のに、なぜ人類はこれほど大きな脅威を目の前にしても、まるで問題 など存在していないかのように目をつぶって、問題の深刻化を許して いるのでしょうか? 「温暖化問題はエネルギー問題」といわれるほど、温暖化は、エネ ルギー価格やエネルギー政策に大きくかかわっています。また、広く 人々の行動を変える必要があるため、環境税や炭素税といった税制の 手段が重要になってきます。そのため、経済界や政治界では、自らの マイナスになることを恐れ、積極的にこの問題を取り上げようとしま せん。市民の多くも、温暖化という問題は理解していても、その緊急 性についてはまだぴんときていないため、「いずれ科学技術の力で何 とかなるのではないか」という根拠のない希望的観測で真剣に向き合 うことを避けています。 とはいえ、近年さまざまな活動がおこなわれるようになってきまし た。政府もさかんに啓発活動を行い、多くの家庭で、無駄な電気は消 し、資源はリサイクルをするなど、「できること」に取り組んでいます。 もちろん、市民レベルで「できること」から始めることは正解です。 しかし、現在の温暖化の問題を解決するには、「できること」だけで は足りないのも事実なのです。「日常でできること」を超えて、大き な変革を行う必要があります。そして、歴史を振り返れば、大きな変 革は可能であることがわかります。(中略) 30年前には日本と同じく輸入エネルギーに頼っていたデンマークは、 ビジョンをもって政策を進め、いまではエネルギー自給国です。「変 えよう」という意思があれば、産業界や人口、エネルギー体制を短時 間に大きく変えることは可能なのです。 特に温暖化の問題に関しては、エネルギー供給の体制を大きく変革 する必要があります。つい最近スウェーデンは「2020年には石油の使 用量をゼロにし、すべてのエネルギー源を再生可能エネルギーにする」 と発表しました。「われわれは、技術的にも考え方としても、“石油 のない世界”に対する準備をする」。スウェーデン政府は、これは地 球温暖化に対する対策であるばかりではなく、今後高騰が予想されて いる(すでに1996年以来3倍になっている)石油価格の上昇に対応す るためだと述べています。(中略) スウェーデンは2003年の段階ですでに、全電力消費量の26%を再生 可能エネルギーから得ていますが、さらに大きく進めることで、2050 年までに二酸化炭素排出量を半減する計画です。英国は2050年までに 二酸化炭素排出量を60%減、フランスは75%減、オランダやドイツは 80%減という目標を掲げて、脱温暖化の動きを加速しています。 翻って日本はどうでしょうか。エネルギー自給率が極端に低く、石 油価格の上昇の影響を直に受ける立場にもありながら、他国のように 大きくそのエネルギー供給の仕組みを変えるというビジョンや大きな 動きはまだ出ていません。 市民も産業界もそして政府も、ラブロック博士の地球温暖化手遅れ 説を疎むのではなく、自分たちにとって意味するところを真剣に考え て取り組まなくてはなりません。 博士の不吉な予測を現実化しないことこそ、博士の望む「手遅れ説 の読み方」となるはずです。 (Enviro-News from Junko Edahiro  No. 1175 06.03.10から) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆皆様からのフィードバック、情報提供をお待ちしています。 ☆ニュースのバックナンバーは下記ホームページで見ることが出来ます。 ☆このニュースを購読される方を是非ご紹介下さい。 ☆配信停止はこのメールに「配信不要」をペーストして返信して下さい。 ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★ 【発行】NPO法人エコプラザさばえ 〒916-0024 鯖江市長泉寺町1-9-20 鯖江市民活動交流センター内 (センター開館:火曜~日曜 10:00?22:00、休館:月曜・祝祭日) Tel.0778-54-8434(火曜~金曜 10:00~) Fax.0778-54-7058 E-mail ecoplaza@sabae-npo.org Web  http://www.sabae-npo.org/ecoplaza/ <新事務所:2006年3月27日(月)より> 〒916-0033 鯖江市中野町73-11 鯖江市環境教育支援センター(エコネットさばえ)内 休館日:毎週水曜日、国民の祝日、年末年始 TEL&FAX.0778-54-8434 E-mail info@sabae-npo.org(予定) Web  http://www.sabae-npo.org/ecoplaza/ 【編集】林 暁、辻子裕二、松宮守克 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●